第 22 回 談 話 会 開 催 に つ い て
応用経済時系列研究会では,会員の皆様を対象に下記の内容で「第22回談話会」 を開催いたします(参加費無料, 要・事前申込).会員の皆様の参加申し込みをお待ち致しております.
なお,今年度のチュートリアルセミナーは2月上旬または中旬に開催致します.


1.ゲスト
スピーカー
吉羽 要直氏(日本銀行 金融研究所)
テーマ 「銀行勘定の金利リスクとコア預金モデル」 18:30-19:35
講演要旨 本講演では、2014年3月に更新された日本銀行[2011]の論文「コア預金モデルの特徴と留意点」に基づき、金利リスク把握において実務的に用いられている流動性預金残高の変動モデル(コア預金モデル)を概観する。銀行の資産負債管理における流動性預金の取り扱いは長年の課題である。流動性預金は、満期が明確に定められておらず、預金者の裁量で随時引き出すことができるが、実際には、流動性預金の中に長期間滞留する部分(コア預金)が存在するためである。一方、金融庁の監督指針では、金利リスクが高い金融機関を特定する手段としてアウトライヤー基準を設けており、この中でコア預金モデルの利用が認められている。このコア預金モデルには、金利上昇局面を勘案することが要請されており、わが国の場合、過去十数年間、金利上昇局面がほとんどみられなかったこともあって、様々な考え方でモデル化が行われている。本講演では、金利リスク管理上のコア預金モデルの利用を整理した上で、コア預金モデルとして実務的に用いられることが多い3つの考え方についてデータを用いて説明する。さらに、最近の議論(日本銀行[2013]など)を踏まえた解説を行う。

参考文献:
日本銀行 金融機構局: コア預金モデルの特徴と留意点, BOJ Reports & Research Papers 『リスク管理と金融機関経営に関する調査論文』, 2011年11月(2014年3月更新).
http://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2011/data/ron111124a.pdf

日本銀行 金融機構局 金融高度化センター: ワークショップ「銀行勘定における金利リスク管理―預貸金のデュレーションの把握―」を開催, 2013年11月18日.
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/rel131118a.htm
2.ゲスト
スピーカー
枇々木規雄氏(慶應義塾大学 理工学部)
 テーマ 「銀行の流動性預金残高と満期の推定モデル」 19:35-20:40
講演要旨  本講演では、上武・枇々木(2011)の論文「銀行の流動性預金残高と満期の推定モデル」の解説を行う。銀行の負債の大半を占める流動性預金は一定額が口座内に滞留しているため、一般にコア預金と呼ばれる。コア預金は常時滞留し長期間の満期を有していると考えられているにもかかわらず、常時引き出し可能という性質から実態よりも低く満期が見積もられている。その結果銀行は、コア預金の実質的な満期を用いて資産のリスク量を相殺できず潜在的な収益機会を逃している。先行研究において標準的な手法は確立しておらず、ストレステスト的要素の強いAA-Kijimaモデルなどが用いられるのが現状である。本論文では預金者行動を考慮した流動性預金モデルの構築を試みる。銀行への預金者の多くにとって、資金を預ける商品は普通預金(流動性預金)と定期預金(固定性預金)と考えられるが、過去の研究は流動性預金のみを対象としてモデル化している。それに対し、流動性預金に対する固定性預金の比率(固定性預金比)をモデル化し、流動性預金の残高およびその満期の算出可能な残高推定モデルを提案する。モデル化にあたり、金融商品の選択基準のアンケート結果も利用する。日本銀行データを用いた数値分析を行い、AA-Kijimaモデルとの比較も行う。

参考文献:
上武 治紀, 枇々木 規雄: 銀行の流動性預金残高と満期の推定モデル, ジャフィー・ジャーナル「金融工学と市場計量分析」, 2011年4月, pp.196-223.
http://www.ae.keio.ac.jp/lab/soc/hibiki/profile_2/JAFEEJ_KH_20101001.pdf
 
日時 2015年1月19日(月) 18時30分〜20時45分
会場 TKP東京駅前カンファレンスセンター(東京都中央区八重洲1-5-20 石塚八重洲ビル4F)  *1F本間ゴルフ
(カンファレンスルーム 4A)
JR「東京駅」八重洲北口より徒歩1分
東京メトロ東西線「大手町駅」B9出口より徒歩3分
東京メトロ銀座線「日本橋駅」A3出口より徒歩3分
申し込み先 総務担当理事 川崎能典まで下記要領にてお申し込み下さい.

お申し込み受付は,電子メールのみとさせて頂きます.談話会受付用のアドレスをご用意致しましたので,できる限り下記アドレスにお申し込み下さい.様式は自由ですが,メール表題に必ず「第22回談話会参加希望」とご記入の上,本文にお名前・ご所属をご記入ください.なお,これを機会に入会ご希望の方はその旨お申し出下さい.
Email:somu@saeta.jp

申込期限 : 2015年1月14日(水) 17時



  >>back